プロローグ

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男の腕に力が入る。 「すんません!すんませ~ん!」 涙や鼻水が止まらない、手足も恐怖で震えることしか出来なかった。 「神代ちゃん!おまち!!」 神代(かみしろ)と呼ばれた男の動きが止まる。 「アナタに仕事の依頼が来てるわよ。」 「依頼?他に居ないのかい?」 「神代ちゃんに来たと良うことは、そういうことよ。」 神代は男を投げ飛ばし襟を直す。 「ふん!じゃ行ってくるよママ…。」 そのまま、振り向きもせずに歩いていく。 「行ってらっしゃい!お土産忘れないでね!!……さて、アナタはどうしたのかしら?」 先ほどまで、恐怖で震えていた男がポカンとしている。 目の前には…屈強な肉体の銅像が動いているのだ。 「黙っちゃって、可愛いわね!私の肉体に見とれちゃった!?」 両腕を曲げポージングをする。 「ど、銅像がしゃべった…!?」 「ただの銅像では無いわよ!私は門の管理者!その名も!!ドナベルカナベルド・クリシュナーベルド・S・シンフォニアス…(2分経過)橘 薫よ!ママと呼んでも良いわよ!!」 「…うわぁぁ!!」 男は一心不乱に走っていく。 「あら、失礼ねぇ!これから、私の上腕二頭筋の美しさを…コレが今の若い子の反応なのかしらね…切ないわ。」
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