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ガタゴト、ガタゴト、
ガタゴト、ガタゴト………。 汽車が揺れるたびに、
俺とかあちゃんは遠く、
遠く離れて行った。
俺は、いつまでも泣き続けていた。
喜佐子おばちゃんは、俺をだました後ろめたさからか、なぐさめるでもなく、ただ駄って横に座っていた。
俺は悲しかった。
寂しかった。かあちゃんと別れてきたことが。
これより辛い気分は、
一生ないだろと思われた。
ところが、人生というものは転がり始めたらキリがないらしい。
それは、あっけなくやって来たのだ。
『ここ、何?』
佐賀駅に降りた俺は、思わずそう言った。
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