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かいちょーとるーくんも食べ終わって片付けると、俺たちは講堂へと向かう。
というのも、この学園の進学式の最終準備は生徒会役員が当日朝9:00までに新高等部学年を迎え入れる準備をするのがお決まりなんだそうだ。
それを昨日生徒会顧問の佐倉せんせーに言い渡された俺らは、もちろん事前確認の余地もなく、例年よりも早朝に来ることとなった。
「まずは座席の確認からか。面倒くせぇなぁ……
おい、不備がないか確認しろ。」
「しろ、じゃないです。会長も働きなさい。」
鋭く副会長が指摘したのにチッと舌打ちをして、会長が壇上から降りる。
「じゃあ俺は3年の方を見る。」
仕方なく、みたいな態度とっちゃって……言われなくてもやるくせに。
「ふふ……ってぇ!!」
「笑ってんじゃねぇよ。お前は一年の席確認してろ。」
「暴力はんたぁい」
ふん、と一瞥して横切る会長を尻目に見ながら、軽くチョップされた脳天を抑えつつ一年の席を確認しにいく。
あー痛い……って一番手前じゃん優しいな!?
さ、気を取り直して。
椅子の確認って言っても、大講堂は劇場のシートみたいなのが固定されてるからよっぽど不備なんてないはずだけど
もしも自分の席がなかったとかあったらすごいショックだろうし、万が一変なものがあったりしたらいけないからね。
一応お坊ちゃんが一挙に集まる学園ではあるから、念には念をって感じかな?
まぁ清掃の人とかが定期的に掃除したりしてくれるから、本当によっぽどのことがない限り大丈夫だろうけど
足元のライトの確認、手元の資料にあるクラスの座席配分と実際の振り分けがあってるかどうかなどを隈なく調べる。
……うん、大丈夫そう。
「かいちょー!1年の席オッケーだよー!」
「教員…オッケー…」
「2年も大丈夫そうです」
「3年も問題ねぇ。次、ステージの備品の確認するぞ。」
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