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「これより、進学式を始めます。一同、礼!!」
司会を務めるしゅーくんの声で、生徒たちが一斉に動いて、布ずれの音が施設内に響く。
俺たちも舞台裏にある控えるようのソファーに座りながら、礼をした。
あれから無事準備は終了して、やっと今開式した。
今日はもうこの式をやり過ごして帰るだけ……
「ふあ…う」
しっかし眠いなぁ……あくびが止まらない。
どうしてこういう式って眠くなるんだろうね?
この学校の式は長い。
学園長のお話を始めとして、新学年になってからの意気込みを各学年の代表者が言ってって
クラスの担任の先生の発表、次に各学年主任のお話…とか色々あって
最後の方に生徒会紹介と首席発表だ。
なんなら俺が通ってた中学校よりも長い。長すぎ。
早朝に起こされてバリバリに動いて疲れたからか、あくびだけでなくコクリコクリと頭も下がってくる。
「とーま、眠い…?」
「ん?んー……」
そんな俺に、コソッと耳打ちするようにるーくんがきいてくるのに曖昧に返事をすると、ちらっと俺とは逆側にいる会長の方を見た。
どうやら会長も寝ているようだ。
「眠いなら、寝ていい…出番…起こす…」
そう言ってるーくんは自分の膝をぽんぽんと叩く。
膝枕かぁ……ううん、髪の毛、ワックス使ってるから刺さりそうだし断……らない。
眠気には勝てないな……甘えさせてもらおう。
「ありがとぉ…」
「ん…おやすみ…」
その言葉を聞きながら、ゆっくりと頭を預けて目を閉じた。
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