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「……で?」
「ん?なに?」
「俺は何処に転校させられるの……?」
最早ここで抵抗したって仕方がない。今の学校に思い入れは特にないし……
諦めた俺の問いかけに、姉ちゃんの発するオーラが明らかにワントーン以上は明るくなった。
「えっとね、考雅峰学園!」
「他を当たれぇ!!」
お前らの言う「王道的なホモ校」で名高いところじゃねぇか!!!
前言撤回だ!!!!!!っつーか、おい待てよ…?
俺をそっち側に染めさせようってか……!?
「全寮制百パーセント男子な環境!良いではないか良いではないかぁ♪」
「良くないっての!!ばかっ!ばーーーか!!!」
「弟くん、君ニートになって路地裏にでも捨てられたいの?」
「すみませんでした」
「その切り替えの速さお姉ちゃん嫌いじゃないよ。」
卑怯な奴め……!
「まぁ大丈夫よ、なんてったって学園長は涼くんだからさ!」
「……涼くん?」
数年ぶりに聞く従兄弟の名前に思わず顔を上げる。
「お、涼くんに釣られた?冬真は相変わらず、涼くん大好きだねぇ」
「……嫌いじゃない」
「デレっ…!従兄弟か……うむ、案外簡単にくっつけられ((ゲフンゲフンそれ聞いたら涼くんすごい喜ぶよ!」
不吉な言葉が 結構はっきり聞こえた ……だと……?!
「じゃあそんな涼くんから、入園の条件たるものを聞いたから、よく聞いてよ?私も弟の人生を潰したいわけじゃあないからね。」
とりあえず真面目な顔つきになった姉ちゃんに合わせて、気怠げな表情を引っ込めた。
無理矢理とは言え、全寮制の学園で学生生活を送るわけだし……ちゃんと聞いとかないと。
つーか、むしろ寮で万々歳なのかもしれない。家にいりゃぁこっから先ずっと、姉夫婦のリア充度MAXな空気を吸い続ける事になるからな。
…いや、違う。
路地裏行きだった。なんだこれどっちにしろ嫌だなおい。
「まず一つ目。冬真なら心配ないと思うけど、いい成績をキープすること。仮にも理事長の従兄弟だしね。
二つ目、何か役職につくこと。
最後に三つ目。
卒業するまで、できるだけーーーーーーーーーーー」
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