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ピンポーン
「くぁ…ぅ…」
インターホンの音で目がさめる。
眠い…けど、応答しなきゃ。
のそのそと起き上がってリビングの応答機の前まで行き、ディスプレイを確認すれば、金髪蒼眼なイケメンが怖い顔して立っていた。
こちら側のカメラ機能は切って、通話ボタンを押す。
『なぁに~かいちょ……』
『なぁにじゃねぇよ。早く準備して外に出てきやがれ。今日は進学式だぞ?』
「知ってるよぉ……もう、一時間待って……」
『……テメェの髪に黒染めぶっかけてやろうか』
『ジョークでーす』
さらに眉をぐっと釣り上げたのを見届ける前にプツンと切ってポイと服を洗濯カゴに入れる。
イラっとくるよなぁうんわかるわかる……なんて思いながら顔を洗って、コンタクトをつけて
脱色やら染髪やらで少し傷んだ髪の毛にアイロンを軽く当ててセットする。もうそろそろ切り時だなこりゃ。
何パターンかある制服をちょっと着崩して、スマホをポッケに突っ込み、いつもよりかは幾分か大人しめなピアスをつけて……
これでバッチリ、チャラ男会計・兎月冬真の完成だ。
「かいちょ~お待たせー」
「遅い。っつーかテメェまた髪色を変えやがって……普通の色にしてこいっつったろ?あと金髪は俺と被ってんだよ」
「これはぁスタイリングしてくれた人におまかせしただけですぅ~!あと赤メッシュ入れてるんで被りませ~ん」
そう言ってヘラっと笑えば、深いため息が返ってきた。
「今日は割と動くから、他の奴ら迎えに行って食堂行くぞ
」
食堂か……
ちらっと腕時計を見てみると、やっぱりかなり早い時間だ。
遅い遅いっていう割には俺の準備は存外早く終わったようで、一般の生徒で混雑するまで時間はだいぶある。
まぁこれならいけるか。
「りょーかーい」
会長の言葉に笑顔で反応しながらカードキーをかざして鍵をし、それもチェーン付きのケースに入れてポッケに突っ込み会長に続いた。
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