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― 王都 ―
大臣「王よ。
ティアを一人であの国に送ったというのは本当ですか?」
王「本当だ。
きっと今頃到着している頃だろう。」
大臣「よいのですか?
ティアは王都にとっての特別な存在。
運が悪ければ殺されてしまいます。」
そう言って少し心配な顔色をする大臣。
ティアは赤ん坊の頃に王都のはずれで捨てられていた捨て子。
それをこの大臣が拾い、我が子のように愛し、育てたのだ。
成長したティアは騎士団に入り、父のような存在の大臣のために戦う。
大臣は本当の娘のように育てたティアを心配する。
しかし、王の命令は絶対。
背くことは許されないのだ。
そんな大臣を嘲笑うかのように口の端を上げ、
王「俺が欲しいのはあいつじゃない。
あいつの中に眠っいる巨大なエネルギーが凝縮されている宝だ。
あいつが死んでもそのエネルギーは消えない。
逆に死んでくれたほうがあの巨大なエネルギーは俺の物になって好都合。
クックックッ!
そう思うと笑いが止まらぬわ!」
お城の広く、薄暗い部屋には顔を青ざめた大臣と王様の高笑いがいつまでも続く。
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