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ティア「!
(今一瞬だけど、父の声が聞こえた気がする……)」
団長「どうした?」
ティア「…なんでもない。
ここは宿とかないのか?」
ユキ「ない。
ここはそれぞれが自分の家を持ってるからな。」
団長「なら、うちにくるといい。
部屋は余ってるからな。」
ユキ「却下。スパァンッ
団長のところに行くなら家に来い。」
ティア「分かった。」
リン「おねーさんはなんで騎士団に入ったんですの?」
ティア「何故そんな事を聞く?」
リン「だっておねーさん、騎士団に入るようには見えませんの。」
ティア「……父のためだ。」
そう言うと、ティアは騎士団に入る頃を思い返す。
あの頃と言っても騎士団に入団したのはごく最近のこと。
ほんの一ヶ月も前のことだ。
捨て子だった私を我が子のように愛し、本当の娘のように育ててくれた父に何か恩返しがしたかった。
考えに考えた結果が騎士団だった。
最初は父も反対した。
戦場に行ったらケガだけじゃ済まないんだぞ、と。
私だってその事は分かっている。
死ぬかもしれない。
もう二度と父に会えないかもしれない。
でも、恩を返すにはこれしかない。
父のために働き、父が守ろうとしている国を私も守りたいのだ。
そのためにはまずは今の自分の使命を果たす。
たとえそれが誰かを犠牲にしたとしても
私は必ず果たす。
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