第1話

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ティア「! (今一瞬だけど、父の声が聞こえた気がする……)」 団長「どうした?」 ティア「…なんでもない。 ここは宿とかないのか?」 ユキ「ない。 ここはそれぞれが自分の家を持ってるからな。」 団長「なら、うちにくるといい。 部屋は余ってるからな。」 ユキ「却下。スパァンッ 団長のところに行くなら家に来い。」 ティア「分かった。」 リン「おねーさんはなんで騎士団に入ったんですの?」 ティア「何故そんな事を聞く?」 リン「だっておねーさん、騎士団に入るようには見えませんの。」 ティア「……父のためだ。」 そう言うと、ティアは騎士団に入る頃を思い返す。 あの頃と言っても騎士団に入団したのはごく最近のこと。 ほんの一ヶ月も前のことだ。 捨て子だった私を我が子のように愛し、本当の娘のように育ててくれた父に何か恩返しがしたかった。 考えに考えた結果が騎士団だった。 最初は父も反対した。 戦場に行ったらケガだけじゃ済まないんだぞ、と。 私だってその事は分かっている。 死ぬかもしれない。 もう二度と父に会えないかもしれない。 でも、恩を返すにはこれしかない。 父のために働き、父が守ろうとしている国を私も守りたいのだ。 そのためにはまずは今の自分の使命を果たす。 たとえそれが誰かを犠牲にしたとしても 私は必ず果たす。
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