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第一発見者は神社で遊んでいる子供たちだった。
神社の裏側からなんとも言えない唸り声が聞こえ、きっと野良犬が喧嘩しているのだろうと、好奇心まじりにおそるおそる見に行ったらば、そこには二人の男女が互いに手を繋ぎ、唸りながら、地面に顔を擦りつけていたらしい。
異様な雰囲気に怯えた子供たちは、あわてて大人を呼びに行った。
そうして、駐在員を含めた大人たちが『そこ』にたどり着いた時、二人は既にこと切れていたのである。
現場の検証と運び込まれた私の病院での見解。
心中――。
「おそらく……死のうと思って農薬を飲んだはいいけど、致死量に達していなかったんだろう……。さぞ……苦しかっただろうな……」
深いため息と共に、二人を見る。
二人の顔は、無惨なまでにぼろぼろだった。
毒薬で喉を焼かれ、悶絶しながら、地面に顔を強く擦りつけたのである。
皮が剥け、顔全体が赤黒く爛れたようになっていた。
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