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『明日、学校が終わったら例の公園で』  水曜日に渡された手紙にはそう書いてあった。僕はそれに対して、『あんな思いは、もうこりごりだ』と返した。  これでいい。僕にはあんな刺激は必要ない。それに僕の協力なんか、三原には必要ないじゃないか。僕には平穏な生活のほうがあっている。  家に帰ると、母がドラマを見ていた。 「てめえ、裏切りやがったな」  刑事物のドラマで二人一組になって捜査をしていたようだが、どうやらどちらかのせいで犯人の罠にはめられたらしい。もう少し、音量を低くしてほしいとおもった。  部屋に入り、散らかった部屋を片付けていると玄関の方から呼び鈴がなった。こんな時間に珍しいとおもっていると、母が部屋のドアをノックした。 「あんたの友達がきてるよ」  なぜか母は目をキラキラと輝かせている。僕は嫌な予感がした。
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