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「次、岡本。読んでみろ」  不運にも、国語の朗読をあてられた。みんな、教科書を眺めているはずなのに、注目されている気がした。  どこかの国で、いじわるなおじいさんが白い象をこきつかう話だった。口の中が渇いて、モゴモゴと印象的な象のなきごえを読むと、どこかで小さな笑い声が聞こえた。  顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。はずかしい。はやく終わってほしい。そう願った。
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