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「コーヒーでもいれようか?」
床に正座している三原にたずねた。勉強机の椅子に座ることを勧めたが、三原はそれをことわって床に座った。
「……ありがとう」
入れたてのコーヒーを渡すと三原は両手をそえて眺め、あったかい、と呟いた。
「裏切りやがって、ゆるせねぇ。殺してやる」
静かな部屋に、茶の間からのテレビの音がかすかに聞こえた。まだあのドラマは終わっていないらしい。
「きれいな、部屋だね」
おそらく、三原にも聞こえたのだろう。なにか言葉をさがして、結局そんな言葉しか出てこなかった、という感じだった。
「まぁ……ね」
僕は押入れをちらりと見た。あの中は今、きれいな部屋とは程遠い状態にある。
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