第4話

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あれから3日間、僕は居残りをしなかった。 しなかったというより、できなかったというべきだろうか。 この3日間でだいぶ気持ちは落ち着いた。 何度も何度も、あれは防犯カメラの中の出来事だと、自分に言い聞かせた。 でも、ふと気を抜くとあの惨劇が脳裏に蘇ることもある。 噴き上げた血しぶき、転がった首。 彼女を助けようとして、よりひどい目に合わせてしまった無力感もあった。 そんな状況で、深夜にひとり店で居残りなんて到底無理な話だった。 ただ、提案書のことは気になっていた。
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