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「ジュリアちゃん、騙されたらダメだよ。そいつ、俺より年上だから」
「えっ!?」
彼女は目を向いた。
そうすると、レイは苦笑いで訂正する。
「キール。年上って言っても、僕と一つしか違わないだろう?」
ほんの一瞬、息が止まった。
――ってことは、レイさんは二十八歳!?
ジュリアは目を見開いた。
先ほど、キールは二十七歳だと言っていた。
そうなると、必然的にレイは二十八歳ということになる。
彼女は、またレイを見つめた。
百七十センチには届かないであろう身長。
幼さの残る顔立ち。
透明感のある、きめ細かい肌。
……嘘だ!これで私より五歳も年上なんて、嘘だ!
ジュリアが落ち込み、膝を抱えると、レイが心配そうに覗き込む。
「あの、大丈夫?」
「がははは!レイ、ジュリアの気持ちも察してやれ」
すると今度は、いかにも海賊らしい筋骨隆々な大男が現れた。
その腕には、青髪の男が取り押さえられている。
その妙な光景に、彼女はまた目を丸くした。
「おう、ガジェット。アスラン。来たのか」
ロンが嬉しそうに彼らを迎え入れる。
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