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世の中にはな、禁じられた術が複数存在する。この刀もそういう術で生み出されたもんや。どんな思いがあったにせよ、強い思いがあったからこそ力を持った。
ただなぁ、暴走してもうたんやろうな。
この刀を――元となった刀やけどな、それを打った刀鍛冶には嫁がおったんや。紺色の髪と青い瞳を持った美しい娘やったって。
でも、死んでしもた。
病でな。
その刀鍛冶はな、呪術やら陰陽術に多少の覚えがあった。悲しみに暮れた刀鍛冶の男は禁術に触れたんや。
『反魂の術』
蘇りの術…………刀を媒体にして嫁を生き返らそう、また一緒に暮らそう、そう思ってのことやった。たったそれだけのことやった。でも、男は代償を払うことを忘れていた。人一人を生き返らすんにはなぁ、それなりのもんを払わなあかん。せやけど、男の実力やとな魂を対価として払わなあかんかった。
おかしな話やでな。
一緒にいたいと願って禁術を使っておきながら、一緒におられんのやから。だから、忘れることにした。
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