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汝命(イマシミコト)この瑞宝(ミズタカラ)を以ちて、
豊葦原の中ツ国に天降りまして、
御倉棚(ミクラタナ)に鎮め置きて蒼生(アオヒトグサ)の病疾(ヤマイ)の事有らば、
この十種(トクサ)の瑞宝を以ちて、
ひとふたみよいつむななやここのたりと唱えつつ、
ふるべゆらゆらとふるべ、
此く為しては死人(マカリシヒト)も生き返らんと、
ことをし給いしこう哮峰(イカルガミネ)に天降り給いしを、
布瑠の高庭なる石上神宮(イソノカミノカミノミヤ)遷し鎮め斎き奉り、
代々其が瑞宝の御教事(ミオシエゴト)を、
蒼生の為に布瑠部の神辞(カムゴト)と仕え奉れり、
故(かれ)此の瑞宝、
布瑠御魂神(フルミタマノカミ)と尊み敬い斎き奉る事の由縁(ヨシ)を平(タイラ)けく安らけく聞こし召して、
蒼生の上に罹(か)れる禍(ワザワイ)布瑠比除(フルイノ)け祓い遣り給い、
寿命(ヨワイ)長く五十橿八桑枝(イカシヤグワエ)の如く、
立栄(タチサカ)えしめ常盤に堅盤(カタワ)に守り幸(サキワ)え給えと、
恐(カシコ)み恐み白(モウ)す。
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