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「……………………」
「とも?」
「すー……………」
返事の代わりに子どもみたいな寝息が返ってきた。
ヘッドホンを外して後ろのともを見やると、ともはパソコンのキーボードに手を置いたままマウスパッドの上に顔を載せて器用に眠りに落ちていた。
「………ちょっと。ここで寝る気? 仮にもこれから芸能界に飛び込む人の行動とは思えないんですけど」
ともは女で、理人は男だ。
幼馴染で多少は慣れているとはいえ、理人は夜に男の家で眠りこけるともに少々頭を抱えた。
「あのねぇ、これ明日以降にやったら即スキャンダルのいい餌食ですからねー」
ぴくりともせずに寝息を立てている姿を見てあきらめたのか、ともの手からパソコンを救いだし、理人はデータを確認し始めた。
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