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「音源の調整が終わってる………。なるほど、それで力尽きたんだ」
理人は振り返ってパソコンを取り上げてもなおそのままの姿勢で器用に寝ているともを見やった。
相変わらずともは規則正しく健やかな寝息を立てている。
「ここんところ準備で忙しくて寝不足だったっけ………」
少し頬を緩めて、指の長い綺麗な手でともの髪を撫でると、さらさらと指の隙間から子供のような髪がこぼれた。
「とは言っても困ったな。一緒にベッドで寝るわけにもいかないし……」
貧乏学生の一人暮らしの部屋にはベッドの他に人が眠れる場所は硬いフローリングの上しかないが、その床は楽譜や機材で足の踏み場もない。
身長181cmの理人が床に寝るには散らかっている今日の状態の6畳のワンルームの部屋は狭すぎた。
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