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――――毎日設定している携帯電話のアラーム音がする。
「………ん。もう、朝―――?」
朝ごはんの用意をしなくちゃとまだまどろんでいる中で私はぼんやりと考えた。
手探りでいつも頭の方に置いてある携帯電話を探す。
――――あ、れ?
携帯電話が見当たらない。
不思議に思って重たい瞼を持ち上げる。
「……………?」
目を開けた瞬間、目に入った色素の薄いくせっ毛の髪の近さに驚いて私は飛び起きた。
「………!?
なんで一緒にベッドで寝てるの!?」
必死に覚えている昨日の記憶を辿りつつ、楽譜や機材が広げてある部屋の惨状を見やった。
―――ああ、なるほど。
昨日、作業していてあのまま寝落ちしちゃったんだ。
考え込んでいる間に携帯電話のアラームがいったん鳴り止んだ。
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