差異化想

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変わろうとすることが罪だという この街はどうにも生き難くて 何も変わらないことこそが「平和」なのだと 宣うかみさまは随分と御立派だった 「それじゃあ言わせて頂きますけど 新しく生まれようとする命さえ 平和に対する罪だとでも云うのですか」 自分以外を分別して笑えるなんて 貴方も随分とご立派ですねぇ 嗚呼、気に食わないんだよ 所詮決まりきったこの世界なんて 誰もがまともなフリをしているに過ぎず 見え見えの世辞と それを鵜呑みにする阿呆だらけだ そうやってやっとのことで生きている 上と下しかないって ここが最下層だって 「理解っているさ」 もう 別にいいじゃないか 血塗れになった自分の手を見て 何故だか少しだけ満足しているんだから
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