8人が本棚に入れています
本棚に追加
いつか全部なくなってしまうことすら
きっと考えもしないでしょう
知りたくもないことを
知る必要なんてないけれど
知ってしまったらどうか忘れないで
楽しそうにはしゃぐこどもの声
夏の終わりに鳴き騒ぐ蝉
映画を見終わったあとの背伸び
飼っていたペットのお墓
溶けてしまったアイスクリーム
泣いてる友達を慰める涙
励ますために繕った笑顔
優しく怒る先生
笑って虐めをはやす生徒
食べ残されたお弁当
捨てられた漫画本
割られた窓ガラス
並んで歩く夕焼けの帰り道
「さよなら」って言った
あの人の笑顔
「ありがとう」だって
「ごめんなさい」だって
全部ちゃんと覚えてる
なのにどうして悲しくなるんだろう
何が、どうして、怖いんだろう
わからないよ
だけどそれでいいと思うのは
僕の我儘かなあ?
悪いことをしたら、
「ごめんなさい」って言うから
今度はちゃんと叱って欲しいんだ
最初のコメントを投稿しよう!