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昔好きだったクラスメイトの女の子
あの子が結婚するんだってさ
時の流れとは非情なものだ
好きだったことも忘れていた
あの子はどんな顔だっけ
何の気なしに
いつのまにか
何もかもを
ただなんとなく忘れて
毎日がなんとなく過ぎて
ただなんとなくしあわせで
それだけで充分だったんだ
それでも
なぜだか無性に悲しくなったり
ひどく後悔することがあったり
ひとりでひっそり泣くことだって
あったりする
ぐちゃぐちゃな僕が生きた証
そこに何があるだろうか
何かきっとあるのだろうけど
あったとしても
全部忘れていたんだけど
忘れてしまったって
何処かには残っていて欲しいと
ときどき願ってしまうんだ
あの子には
何を渡そう
あいつには
何て謝ろう
でも
あいつのことはやっぱり嫌いだから
「お幸せに」とだけは言ってやるもんか
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