薄幸少女

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あの子が欲しい あの子が素敵 あの子が憎い そう、いつだって誰かが羨ましいんだ 「しあわせ」が欲しいの いままでなくてもよかったにね たぶん これから先もずっといらないのにね ねぇ 無い物ねだりなんてしたくないの あなたがいいならそれでいいわ あなたが望むのならそれでも 大丈夫 大丈夫 なんて薄幸ぶっても 所詮きたないものにまみれる勇気なんてなくて 「今日も私は不幸でした」 そう言って傷を舐め続けている いつか誰かのしあわせを奪ってやろうと 涎を垂らして待ちながら ああ本当に 本当に かわいそうな私
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