愚者に、

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愚者に、

ばらばらにされても尚繋ぎ止められていた感情が まるで、私の中で殺されかけているみたい 「はやく替われ」って 泣き叫んでいるようだった 貴方は誰? 淋しがりやな誰かに もういいかい 臆病者な誰かに もういいかい 優しすぎる誰かに もういいかい 弱虫な私に まだだめなのと 問い続けていた 誰か代わりに教えてはくれませんか ひとり、放り出された枠の隙間から ただただ覗くことしかできずに 性懲りもなくしがみついていた 何ひとつなくしてはいないけれど 私を踏み潰している何かが 「誰もいないよ」って 嘲笑ったような気がした 貴方は誰?
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