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｢順子がアキ先輩の赤ちゃんができちゃって…それで…｣
｢俺にそれをアキに伝えろってことなのか？｣
冷たい声音。
容赦ない眼差しがわたしを見下ろした。
｢そういうことだったら、俺に言わないでアキに直接言えば？｣
壁から身を起こして。
ポケットからタバコを取り出すと火を点け燻らせた。
｢あの、違うの。そうじゃなくてっ｣
｢？｣
焦って手に力が入った。
順子から聞いた話をそのまま誉先輩に話してしまってもいいのか。
だけど、今頼れるのは誉先輩しかいない。
｢順子が前に遊んでたこと…誉先輩は知ってるよね？｣
｢あ？ああ｣
｢今はアキ先輩だけが好きってことも知ってるよね？｣
｢あ？まあな｣
誉先輩は訝しげな表情でわたしを見下ろしてる。
｢順子が…遊んでた頃の仲間数人に襲われて、……妊娠して……」
「………」
「誰がお腹の子の父親なのかわからないの…｣
「………」
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