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泣きそうだった。
でも絶対泣かないと決めて、ここへ来た。
もうどうにもならない事だから…
『瑠璃?』
「…な、に?」
『近いうちに婚姻式があるだろ。』
「………多分そう………」
『その時には飛び切り最高の笑顔で、綺麗な着物着て俺に見せてな。』
「うん…」
『今は泣いてもいいから…な?』
「…うんッ!私、もう泣かないよ…朱ちゃんも困るもんね。私頑張るからね!朱ちゃんも可愛いお嫁さん見つけて…」
そう言った瑠璃の声はすごく震えていて、笑顔を作ってくれていても涙は止まっていなかった。
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