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「…で、その鳩豆のカレは、イケメンなの?」
お昼休み。
私は会社近くのカフェで有美とランチを食べながら、
今朝の出来事を話していた。
「うん…、まぁ、まだ高校生なだけあって、やっぱり
ちょっとだけ幼い感は否めないけど、それなりに
整ったカオしてたよ。将来楽しみって感じかな。」
「ふぅん、ターゲットロックオンってわけか。」
「ターゲッ…って、それどういう意味よ?」
「そのままよ。気に入ったんでしょ、そのカレのこと。」
「ちょっと待て!今の話をどう聞いたら、そういう結論
になるの!」
「どうって、素直に聞いただけよ?…それとも何?
琴子は、そのカレにもう心奪われてるのに自分で
認めたくなくて私に噛みついてるの?」
「こっ…心奪われてなんかないし!有美は話が
飛躍しすぎなのよ!」
全く、他人(ヒト)の事となるとこれだから…と
ブツブツ呟いていると、有美はごめんごめん、と
私の肩を軽く叩き、
「でも、何か話したとか、そういうコミュニケーション
はとったりしなかったの?」
と、首をかしげた。
「うん、何も。」
私の答えを聞き、そっかぁ、と彼女は優しく微笑んだ。
かと思うと。
「何かあるといいね。」
この悪魔的笑顔。完全に、面白がっている。
「あるわけないじゃない。何、期待してんのよ!」
全く、この親友は………。
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