プロローグ

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そんな学生生活に慣れ、飽きがきたときには、既に大学生活を退屈なものと、無意識に思い始めていた。 ~♪~♪~ 僕の携帯が、僕の部屋で鳴り響いた。 今日は休日だ。多分、誰かからの遊びの誘いだろう。 そう思って、ディスプレイを見ると、母からだった。 正直、両親と今の自分の状態で話すのは後ろめたさがあった。 着信が切れないかと、少し様子を見てみる。――しかし、一向に切れる気配はなかった。 「…はい」 割と暗い声になってしまった。 昔から嘘をつくのが苦手だという自覚はあったけど、今、母に悟られるのは面倒だと思った。 「あんた、こんな時間まで寝てたの!?」 電話口から聞こえた第一声が、それだった。僕が寝起きなのだと勘違いしているらしい。とりあえず、面倒は回避できたようだ。 「こんな時間って…」 時計を見ると、アナログ時計が9時を示していた。
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