プロローグ

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まあ、高校までは6時に、ほぼ強制的に起こされていたから、母からしたら9時起床は遅く思えるかもしれない。既に7時には起きていたけど。 「で、朝から何の用?」 まさかモーニングコールをしたわけでもあるまい。 「そうそう、大学の夏休み期間はこっちに帰ってくるんでしょ?」 今度はカレンダーを見る。今は7月の下旬。何事もなければ次の週には長い夏休みがくる。 「うん、帰るよ。お盆くらいに」 「もうちょっと早く帰ってこれないの?」 「うーん…」 帰ってこれないことはない。夏休み中はこっちでやることもないし。 決して友人が少ないわけではないのだが。 「良いよ。けど、なんでお盆じゃダメなの?」 当然の疑問を抱く。わざわざ早く帰省させるのだから、それ相応の理由があるはずだと思った。 しかし、僕はこの疑問を、軽い気持ちで発言したことを後悔することになる。母の発言によって。
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