プロローグ

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「従姉妹の沙奈ちゃん、覚えてる?」 沙奈ちゃん――沙奈姉ちゃんは、僕の4つ年上の従姉妹の名だ。 小さい頃、夏休みや冬休みには、祖母の家でよく遊んでいた。 しかし、高校に進学してからは、お互いに殆ど顔を合わせる機会も無いままだが。 「…覚えてるよ」 近頃会っていないとはいえ、従姉妹の名を忘れるほど、僕は薄情ではない。 それに…。いや、これはどうでも良いか。 僕の返答に、母は良かったと一言入れてから、言葉を続けた。
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