プロローグ

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「――。――聞いてるの!?」 途中から母の話を聞き流してしまっていたようだ。 沙奈姉ちゃんの結婚…。僕にはまだ、現実として受け入れることができていなかった。 もしかしたら、まだ僕は寝ているのかもしれない。 そんなことを考えていた。 しかし、一向に目を覚ますことはなく、むしろ目は冴えていった。 はあ、と一息入れてから、僕は返答した。 「ゴメン、聞いてなかった」 「どうしたの、ボーっとして」 電話越しでも分かるものなのだろうか。 「いや、大丈夫。それで、何て言ったんだっけ」 「だから、あんた結婚式の日は帰って来れるの?」
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