赤ずきんの涙とオオカミの罠 ver.エブリスタ

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冷えたグラスは手の平を程よく冷やしてくれる。 一口飲むと平がる甘い味。 サッパリとした味わいは――お茶? 「え? 桃の味がする……」 店長さんはまたニッコリ笑ってくれた。 「ピーチリキュールをお茶で割ったものです」 ――だから桃の味がするんだ……。 「お茶で割ったものなら飲みやすくていいね」 越中先輩の言葉に頷く店長さん。 「お疲れのようでしたので。いかがですか?」 「おいしいです」 「よかったね。少しはリラックスできたかい?」 ――緊張しているのがバレバレだったんですね。 照れ隠しにグラスをクルッと回す。 「はい。あの、お酒、あんまり強くないので……お手柔らかにお願いします」 「かしこまりました」
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