赤ずきんの涙とオオカミの罠 ver.エブリスタ

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わたしの前に店長さんがコトンとロンググラスを置いた。 「レゲエパンチです」 飾られたレモンが揺れる薄茶色のお酒。 続いて先輩の前に置かれたグラス。 「ありがとう」 先輩の言葉を聞いて、慌てて 「ありがとうございます」 遅れながらも頭を下げる。 でも、笑顔を向けてくれて、小さく会釈してくれた店長さん。 わたしは先輩と目を合わせて、グラスを近付ける。 「お疲れ様」 労いの言葉に、恐縮する。 「お疲れ様です」 小さく響くグラスの音。
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