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「は、さすが頭のいいやつは言うことが違うな」
「それはどうも」
「だが勉強をする気がないやつは俺の授業にいらん。出ていけ」
「……」
加減を知らない梅林の冷たい台詞を浴び、悠太は黙り込む。
少しは考え直したのかと思ったがそうでもないらしく、何も言わなくなった口からはため息が吐かれた。
「わかりました」
それだけ言えば悠太は席を立ち、目の前にいる梅林を避けて扉の方へと歩いていった。
本当に出ていくらしい。
梅林も止める気がないのか、さっさと黒板の前に戻りチョークを握った。
悠太が出ていったのを確認すると、
「あいつはだめだな」なんて吐き捨てるように呟いた。
……空気が先程よりもぴりぴりしている。
これはもう眠れない。
鈴村なんか背筋をぴんと伸ばして、真面目に授業受けてますよアピールをしているし。
いづきはシャーペンの芯をかちかちと音を鳴らしながら出し、ほぼ白紙に近いノートに漸く手をつけることにした。
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