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サフィアもまたその学園の卒業生らしく、ロックと昔話をしていたサフィアが、かつての同級生であり、今は教師になった友達へ久々に会いたくなってしまったらしい。その結果会いに行こうと言う流れになってしまった。
「学園には授業時間があるのよ。昼食の時間までに着かないと、会う時間が無いじゃない。それとも何、いつでも教師と自由に話せる時間があると思っている?」
「……確かに。無いな」
サフィアに正論を言われて、ロックも渋々従って、歩くスピードを上げる。
「さぁ、行くわよ。目指すはルーン魔法学園よ」
指を突き刺して、ポーズを決めたサフィアを見てロックは過去を振り返る。
ロンド国のゴブリン侵略防衛戦で出会った時は、優秀で優しい魔術師だと思い、それから組むようになったのだが、長く付き合っていると意外と言葉に棘があり、時々仰々しいポーズを平然と取るのだ。そんな彼女は胸の小ささを指摘されるとキレると言う一面もある。そして、怖い。
――あの時は、好みだと思ったんだけどな。実際は違ったし。
あの時の防衛戦――サフィアに出会う前――に戻りたいと思う時がある。ロックは思わずぼやいた。
「魔術師ってみんなこんな感じなのか?」
「何か言った?」
「いいえ、何も」
ロックが発言し、サフィアが一蹴し、自らの発言を無かった事にすると言ういつものやり取りを終えると、後はただ目の前の目的に意識を移す。それが二人のパターンだ。
ルーン魔法学園の傍まで近寄った時、それが起こった。
学園を揺るがすような一発の破壊音。それに続くように大勢の悲鳴と怒号。その合間にも立て続けに破壊音が聞こえて来て、ついには学園の壁に大穴が開いた。
――これは、ただ事じゃない。
隣を見ると、あまりの事態にサフィアは大きく口を開けて固まっていた。
「おい、固まるな。行くぞ!」
「え!? あ、うん!」
走り出したロックの後を追ってサフィアも走り出した。後ろを振り返らずに気配だけで相棒が着いて来ているのを確認したロックは校舎の中に入ると、すぐに周りを確認する。校舎の中は混乱をきたしていた。逃げ惑う生徒の中に、見た事も無い魔物の姿があった。それもたくさんの魔物が校舎の中を我が物顔で横行する。その時、一人の女子生徒の背後へ魔物が近づき鋭い爪を振り上げた。
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