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「あの、ミラージュ先生。ここは自己紹介する暇は無いのでは?」
「そうね。それでね、サフィアちゃん。どうやら、学園がね、《煉獄界》ってヤバイのと、繋がっちゃったの」
ミラの必死の表情と言ってもあまり締りがない表情で説明をする。ラフォードは咳を一つすると、後を続けた。
「正確に言えば、私の教え子が昨夜、闇魔術による悪魔召喚の実験をし、それが失敗したようで、煉獄界と繋がってしまったようです。ただ、生徒の力で煉獄界のような危険な世界と繋がってしまうとは……」
ラフォードの話によると、その時は、ただ失敗したと思った召喚実験が、時間をかけて煉獄界へと繋がる《召喚門》を召喚すると言う結果になってしまったらしい。魔物が出現した時、もしやと思った生徒が慌ててラフォードに秘密裏の実験と失敗を報告したようだが、すでに手遅れになっていた。
「全ては私の指導不足が招いた結果。だからこそ、私が一刻も早く召喚門を破壊し、煉獄界からの侵略を止めなくては……」
ラフォードは拳を作り、奥を見つめた。今まで黙って聞いていたロックはラフォードと同じように奥を見た。
「微力ながら俺達も手伝います。なぁ、サフィア」
「勿論よ! ここは私の母校なんですからね。私が守るわ」
「私だって頑張っちゃうわよ」
うふんと笑いながら、ミラージュも答えた。
「いや、しかし。部外者をこの学園の問題に巻き込むのは――」
「大丈夫よ。この二人、すっごく強いのよ。ゴブリンをバッサバッサ倒し、海賊だってドカーンって倒しちゃったの」
ミラージュがサフィアとロックの背後に回り肩に手を置く。考え直したのかラフォードは頭を下げた。
「すまない。協力感謝する」
ロックは周りに視線を巡らせる。見た所、避難誘導は数が足りているようだ。ならば、魔物の討伐か、召喚門と言う物の破壊に協力した方が良いだろうとロックは判断し、ラフォードにどちらを優先するか聞いた。
「私は召喚門の力を封じる為に術を編まなければならない。お二人に問題なければ、魔物を討伐しつつ、学園内にある召喚門の破壊をお願いしたいのですが」
「俺達はそれで構いません」
「では、お願いします。私の術の発動後、破壊を――。召喚門がある場所が最も魔物の数が多い筈です。お気をつけて」
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