3.黒鬼

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「・・忌み子だから、あなたたちは俺を捨てたんですよね?」 続けた言葉に二人は身を固くした。 張り詰めた空気はわかってはいたが、どうしても言いたかった。 「勘違いしないでください。俺は、あなたたちは間違えていないと思ってますから。でも、一つだけいいですか?」 二人が恐る恐るといった感じに顔をあげた。俺は、上半身を起こし両親の頬にそれぞれ手をあてた。 「俺は、鬼の子です。でも、人間なんです」 言ってやりたかった。 ずっと、捨てられたと知ったときから。 その理由が俺が異端児だったからと、知ったときから。 「あなたたちの目に、俺は鬼に見えるんですか?人には見えないんですか?」 「・・・あ、アロイス」 「俺は」 「アロイス」 「・・・っ」 「「本当にすまなかった」」 二人は土下座した。 それはもうキレイに。 「お前のせいではないということに、私達は気が付けなかった。・・・私たちは、王家の血の呪いを知っていた。それなのに、私たちは恐れたのだ。これが、『恥』になることを」 父上が、言いづらそうにしながらもそう言い切った。 「7年もの年月をかけて、私たちはやっと気づいたのだ。 本当の鬼は私たちだと」 驚いた。 目をわずかに見開いた俺に、父上はとても優しく微笑んだ。
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