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「それでももう婚約は成立しています。貴女に選択権はありませんよ?
第一、この国の姫として産まれたからには政略結婚として結婚しなければならなくなるといつも言っていましたよね?
忘れましたか?」
母親の厳しい言葉に、シャルロッテはうぅっと呻いた。シャルロッテを一流の姫に育てたのはダイナ妃の功績だった。
「忘れた訳じゃないわ。でも・・・私だって女の子よ、夢をみていたっていいじゃない」
シャルロッテはさっきとは打って変わり、悲しそうに顔を歪めた。
その様子をみていたダイナ妃はため息をつきながらも娘を抱き締める。
「シャルロッテ、大丈夫よ。
貴女は必ず幸せになるわ。」
と、そのときだった。
コンコンーと軽快なノック音が部屋中に響いた。
「シャルロッテ様、アロイス王子がお越しです」
侍女の言葉にダイナ妃は頷き、隠し扉から出ていった。
後に残されたシャルロッテは緊張した面持ちをしていたが、侍女にそっと頷き入らせろと合図した。
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