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自分から持ち出した話とはいえ、子どもらの前で妻と平静を装うのは結構なストレスだった。
というのも、妻は謝りはするものの、不倫中の出来事について質問してもあまり話したがらないのだ。
気持ちは分かるし、俺だってあまり聞きたい話題ではないけれど、原因究明のためにもある程度話してくれないと、俺のモヤモヤはいつまで経っても消えることがない。
「ごちそうさまー♪」
夕飯を済ませ、子どもらが宿題の残りを片付けている間、夫婦だけで明日のぶんの食材を買いに出かけることにした。
移動中、会話がない。
この頃の俺は妻と二人きりになり、会話が無くなると必ずあのショッピングモールの駐車場での出来事を鮮明に思い出すようになっていた。
妻は空気を読んでいるのか、それとも自分のしたことを後悔しているのか…やはり何も話せずにいる。
でも、この時は珍しく妻から口を開いてきた。
「…らい…。」
「え?なに?」
「毎日家に帰るのが辛い…。」
「…自分が招いた結果だろ。」
本当に子どもらのことを考えるならば上っ面だけではなく、俺らの仲を修正しなければならない。
それは分かってはいるつもりだけど、事が発覚した直後。
どうしても攻撃的な言葉が出てしまう。
この日、スーパーの駐車場から②の男に妻のスマホから電話させた。
俺のは着信拒否されているのでこうするしか無かったのだ。
詳細については②との決着がついてから、もう少しあとの章でお話しさせてもらいますが、結果はひどいものでした。
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