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「ずっと一緒にいようね。」
と言ったときも
偶然通りがかった昔のデートコースで昔話で盛り上がったときも
子どもの成長をみて将来を語ったときも
その合間合間に妻は俺が知らない男に抱かれ、俺や子供の前では仲良し夫婦を演じていた。
お義父さんの供養にいったときには、霊前に何を祈っていたのか。むしろよくお義父さんに顔向けできたものだ。
ここへきて不倫そのものより、妻の人間性が信じられなくなってきた。
そもそも半年という期間はもはや浮気ではない。
妻は恋愛をしていたのだ。
やりきれない思いで家に帰る。
聞かなければいけないことではあったけど、知ったことを後悔した。
この辺りから俺は大きく病みだすことになる。
四六時中あの日のことを思い出し
ては後悔し、もう過ぎたとこと分かっているのに「どうすればこうならなかったのか」という自問自答を繰り返す。
気がつけばもう夜、もう朝という日が続き、全く眠れない日が何日も続いた。
精神的にはグッタリ。
朝、鏡をみれば犯罪者ヅラの俺がいる。
フチの太い眼鏡をかけて誤魔化して働く。
不思議なことに体は動く。
仕事中にもやはり思い出すことはあったけど、振り払うように働く。
ある日職場の人から言われた。
「お前…最近異様に痩せてないか?」
原因は分かっている。
でもこんなの誰にも話せない。
話したくない。
消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい…
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