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妻の不倫を知ってしばらく、妻を抱くことはできずにいた。
Facebookで知り合った程度の関係性のほぼ見ず知らずと言ってもいい男性に体を許した妻がおぞましいほど不潔な存在に思えていたし、何より裏切りのあと半年に渡って偽り続けることができた人間を愛することなど俺にはできなかった。
20年培ったものを一瞬の迷いだけでチャラにされてしまったのだ。
もう全力で見返りなしで愛することが、とんでもなく怖い。
ただ、性がなくなれば夫婦は終わりだと思う。
俺が他の女に走り、妻が第三第四の男を求めるようになれば完全にお終いだ。
現時点でもう終わってるのかもしれないけれど、まだ戻ることはできるのかもしれない。
言葉を交わし、互いの溝を埋めてからと考えていたけど、妻は不倫についてのことは話したがらない。
ならば溝が埋まるのを待たず、溝を飛び越えるしかない…か?
「抱くぞ。」
妻の反応を見ながら行為に及んだ。
別の男にも同じようなことをされたのか
別の男にもこんなことをしたのだろうな
嫉妬心は粘っこい膜のように俺の思考につきまとい、何度も萎えそうになる。
妻はそんな俺の様子を察したのか、前戯の段階から普段より大袈裟な反応を見せる。
「誰のペニ○が一番気持ちよかった?」
「①のだよ(≧∇≦)」
また①と妻とのやり取りを思い出す。
振り払うように強引に行為に行為に移る。
俺は10秒と経たずに果てていた。
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