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~~~それから数日後~~~
隊員「色々な機械を流用して部品調達し、どうにか通信機だけは修理いたしました」
隊長に通信機を渡す。
ロイド「よし。全員集めろ。本部に報告する前に会議をする」
そう言って部下を使いに出し、会議室に向かう。
会議室といっても、一番広い洞窟内の小部屋に、机を置いただけのものであったが。そこには20名ほどが既に集まっていた。
ロイド「急にすまんな。ジールのことについてだが……本部と通信するまえに皆の意見を聞きたいと思う。」
A班長「即刻消すべきです。我々の存在を知られてはなりません」
B班長「だが、殺せば歴史が変わるかもしれんぞ」
A班隊員「あのような幼い一般人であれば、消えても影響はわずかかと。」
B班隊員「軟禁状態で調査に同行させるのが一番ローリスクかと思いますが。」
意見がバラバラである。ロイドはため息をつき、大きく息を吸う。
ロイド「フム。初めてのケースで皆も混乱しているだろうが、俺の意見を言わせてくれ。」
そう言って席を立ち、胸のボタンを一つ緩める。
ロイド「俺は、彼にきっちりと俺たちの立場を話した上で、口止めをし協力者になってもらいたいのだ」
A班長「しかし隊長!」
ざわめく隊員たち。それを手で制し話を続ける。
ロイド「この数日、ジールと話し
彼の性格は掴んだつもりだ。そして彼は鍛冶屋の息子だという。部品や素材の調達もしやすくなるだろう。それに俺たちは、タイムマシンが壊れている。部品の調達はどうするつもりだ?見つからないよう盗んで集めていくつもりか?」
これには全員が黙る。皆わかっていたことなのだから。
B班長「しかし彼は、応じてくれるでしょうか?」
ロイド「そこは私がどうにかする。
それに彼には、未来の技術と知識を提供する。なぜなら彼には、出世してそれなりの立場についてもらわねば困るのでな。一般人の少年が、部品調達など難しかろう。我々がこの時代で関わるのは、もう彼のみとしたい 。 異論がなければ本部と通信するがよいか?」
A班長「わかりました。最小のリスクで未来に戻るには、それが最善と思われます。」
会議は解散し、皆持ち場に戻る
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