日常編

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名もない、なにもない島。 四方八方海に囲まれ、島から見える地平線には 大陸の影さえも見えない。 言うなれば無人島である。 淡々と生い茂った緑の中に わずかな人々と建物が覗え、 大空から燦々と太陽が照りつけている。 島の果ての海岸からは、 やわらかい幼い男女の声が聴こえてくる。 「今日も暑いね。調子はどう?りく。」 「おはよう、かすみ。  今日も元気いっぱいだよ。」 りくとかすみと呼ばれる男の子と女の子は 小学校高学年といったところだろうか。 表情にはまだまだ幼さが残っている。 質素なシャツと短パンからは この島の物流の無さが覗える。
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