初日・夜

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「っあーー!疲れた~!」 私は布団にドカッと座りながら声をあげる。 女子の部屋は3人しかいないから広々としていていい。 そんな私の叫びは聞こえてるのか聞こえてないのか、若も綾も各々荷物をまとめたり、スマホをいじっている。 合宿1日目が過ぎた。 もちろん、遅れてた3人も来て全員揃った形で始まり、朝から晩までしごかれたのだ。 そして、合宿所に帰ってから、みんなで夕御飯を作ってたべて、お風呂に入って……こういうのって、青春って感じでいいなあとか思ったり。 しかし、体はやっぱりかなり疲れていて、夜はこれからガールズトークを楽しもうとしていたのに、もう眠気が襲ってきた。 「じゃあ、早く寝て明日に備えないとね。」 若は笑顔で振り向いた。 規則正しい性格を普段からしている若としては、本当にそろそろ寝るつもりだったんだろうな…。 でも、眠気になんて負けてらんない! 「何言ってるの?夜はまだまだこれからでしょ!! そろそろ私は若の恋バナが聞きたいな~!ねえ?なんか無いの?!」 まくし立てる私に、若はぽかんとした顔をする。 「はあ?何もないよ~。 あったらすぐ報告してます。」 「えー、若可愛いのに、何もないなんてないじゃない!! ねえねえ、若は好きな人とかはできないの~?」 「えーいないよ~?それなら、綾の好きな人とか気になるなー。」 若はチラリと綾を見た。 「なんだよ、その目は……。」 綾は呆れたようにこちらに向く。 「知ってるよー、綾は人深のこと好きなんだよね~?」 ニヤニヤと笑って言ってやる。 しかし、反応が返ってくるのは綾からではない。 「え?!綾、人深ちゃんのこと好きだったの?!」 ……若、知らなかったのね…。 「若……、あんな分かりやすいのに気付いてなかったの?」 若はちょっと鈍感である。 「むしろ、若葉は気付いてなかったのかって感じだな……。」 綾も別に慌てる様子はない。 慌ててるのは若だけだ。
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