初日・夜

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「き、気付かなかったよ…。そうなんだ…。」 若は色々とショックをうけている。 「そういう尋子はいないのか?」 綾が聞いてきた。 「えー?どうでしょーねー?」 「なによその答え…。」 「…はぐらかすのか?」 若は怪訝な顔をする中、綾はにやりとして言った。 「尋子あんた、この前西田とお祭りに行ったそうじゃない?そのことについてはどうなの?」 女子の情報網とは恐ろしい…。 …ただ若はまた驚いた顔をしてるあたり、知らなかったんだろうけど。 「…西田に祭りに誘われたのは誘われたけど、だからといって付き合ってるとかはないから。」 これは嘘ではない。 誘いに乗ったのはあるけど、だから西田が好きとか、実際自分でもよくわからないのだ…。 「もー、みんななんでそういうこと言ってくれないの?」 若は自分だけ何も知らなかったことをがっかりしながら嘆く。 「なに、そんなの言うわけないじゃーん!それよりほら~、若は本当になにもないの~?つまんないよ~?」 「だから、ないんだってばー!」 こんな押し問答をしながら、今日という日は終わりに向かう…。 明日が、いつも通り来ることを疑いもせずに。
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