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暑い…
それにしても暑い…。
夏だから当たり前なんだけど、やっぱり暑い。
部活はもはや倒れる覚悟だな…。
そんなことをうだうだ考えてたら後ろからききなれた声が聞こえてくる。
「おはよー、若!」
「おはよう、今日も元気だね…尋。」
後ろから、明るい声が駆け寄ってくる。
彼女の名前は尋子。
同じ部活の幼なじみで家も近いから学校へはよく一緒に行く。
「テンション上げとかないと、後々持たないよー?」こいつはいつも明るい。
「そうだけどさ…。しかし、世間は暗い事件ばかりなのに、学生は学校へ…全く他人事だねえ…。」
「若はまた暗いことを…
まあ、実際他人事だし?実質、平和だしねえ…この辺は。」
そんな話をしながら二人並んで歩く。
「そうそう、事件っつたら最近噂になってる人狼事件あるじゃん?」
尋が唐突に切りだした人狼事件とは、
最近何件か起っている大量殺人事件で、関係者は皆、「人狼」が現れて人を喰った…とか、その人狼を探すために殺しあった…といった供述をすることから、そういわれ始めてる事件だ。
「あれ、本当なの?
そんなゲームみたいなこと実際なくない?って思っちゃうんだよねー。」
「まあ、現実味ない話だよねえ。実際には起こってほしくないけど…。」
「あー、若はビビりだからなあ。
ま、大丈夫でしょう!
きっと無いよそんなの!」
そうこうしてるうちに学校が見えてきた。
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