脱獄劇

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「何やと…!!」 鴉紋は予想外の出来事に、言葉が出なかった。修三も何も言えないようだった。 修三には分からなかったが、鴉紋には分かった。この囚人達は、鳴海の手下だ、ということが。そのことに気付いた鴉紋は震えた。 「…やるしかないで、修三…!!」 震える修三を、鴉紋は叱咤した。修三はうなずくと、勇気を振り絞り、立ち上がった。 「この人数相手には逃げる気はない。勝つ気や!!」 拳を胸の辺りでぶつけると、鴉紋は叫んだ。囚人達は武器を手に取り、2人に飛びかかった。 修三は腐ってても木我一族であるだけに、囚人達にもなかなか抗っていた。 「ぐあ!」 「ぐお!」 修三は自分の脚を風車のように回し、自分の周辺に群がっている囚人達を凪ぎ払った。
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