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「逃げろ、冴田!!」
背後から聞き覚えのある声が響いた。
振り向くと、グラウンドの真上に位置する看守室から、高藤が顔を出していた。
「高藤はん!!」
「私のことはいい!速く逃げ…」
そこまで言って、高藤の言葉が切れた。
高藤の背中には、修三を刺したものと同じ形状のナイフが刺さっていた。
高藤の背後には、2人が最も見たくなかった面があった。
「逃げられると思うか!?冴田ァ!!」
「鳴海!!」
「戦闘員はまだまだ送られてくる!お前はここから出ることはできん…死ぬまで俺らと楽しもうぜぇ…冴田ァ!!」
鳴海は気を失った高藤の背後に立って、冴田を見ていた。そして、嘲笑すると、姿を消した。
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