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「冴田さん…!!俺…もう…げん…か…」
修三の意識は、そこで途絶えてしまい、修三の手は、鴉紋の肩から離れた。
修三は、夜の雪山の中に、放り出されてしまったのだ。
「修三!?修三!!」
鴉紋もそれに気付き、Uターンしようとした。
だが、鴉紋は側に木があることに気づいていなかった。
Uターンしようとスノーモービルを反対方向に向けようとした時、その木にスノーモービルを勢いよくぶつけてしまった。
「うお!!」
スノーモービルは壊れ、鴉紋はぶつかった勢いで、少し距離のあるところに放り出されてしまった。
「ぐぁ…しもた…」
雪上に這いつくばりながら呟くと、ブルブル震える脚で無理矢理立ち上がった。
「修三…!!」
鴉紋は修三を助けにゆっくりと歩き出した。
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